数値地図情報ならびに水文モデルデータを用いたHSIモデルによる生物生息域の推定

水文モデルの水情報を考慮した生息分布推定手法を提案した.分布型水文流出モデルにより流速,水深の分布および年間変動を求め,同時に数値地理情報を元に,土地被覆,市街化率や勾配などのデータセットを作成した.名取市における既知の生息地図を用いて評価対象生物の存在確率からSIモデルを構築し,SI値から影響因子を定量的に把握した.これらのSIの合算により,生物毎の生息適性値HSIモデルを構築した.このモデルを用いて名取川流域全域のHSI分布図を作成し,既往の観測結果と比較した結果,カエル類,流水性トンボ,止水性トンボ,ヘイケボタル,ゲンジボタルの5種で正答率90%を上回り,概ね妥当な結果を得ることができた...

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Published in土木学会論文集B Vol. 63; no. 4; pp. 323 - 337
Main Authors 風間, 聡, 松本, 哲, 沢本, 正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2007
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Summary:水文モデルの水情報を考慮した生息分布推定手法を提案した.分布型水文流出モデルにより流速,水深の分布および年間変動を求め,同時に数値地理情報を元に,土地被覆,市街化率や勾配などのデータセットを作成した.名取市における既知の生息地図を用いて評価対象生物の存在確率からSIモデルを構築し,SI値から影響因子を定量的に把握した.これらのSIの合算により,生物毎の生息適性値HSIモデルを構築した.このモデルを用いて名取川流域全域のHSI分布図を作成し,既往の観測結果と比較した結果,カエル類,流水性トンボ,止水性トンボ,ヘイケボタル,ゲンジボタルの5種で正答率90%を上回り,概ね妥当な結果を得ることができた.水生生物の生息域推定には,水文データが重要な因子であることが理解された.
ISSN:1880-6031
DOI:10.2208/jscejb.63.323