残留農薬等のリスクコミュニケーションの実施と評価

本研究では,残留農薬に対する正しい知識を消費者に普及啓発するため,リスクコミュニケーションの手法を基に公開セミナーを行った.さらに,セミナーの前後において,聴講者に対して消費者の意識に関するアンケート調査を行い,その有用性を評価した.回答は84名から得られ,対応のあるt検定を用いてセミナー前後の意識変化を分析したところ,「行政への信頼感」や「残留農薬に対する理解度」が有意に改善した.また,step-wise重回帰分析を用いてリスコミセミナーの満足度に影響する要因を探索したところ,「食品中の残留農薬の安全性に関する理解」の項目が抽出された.消費者にとって食の安全性への理解は日常生活を送る上での重...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 65; no. 1; pp. 20 - 23
Main Authors 高木, 彩, 井之上, 浩一, 布目, 真梨, 伊藤, 里恵, 岩崎, 雄介, 杉浦, 淳吉, 湧井, 宣行, 鈴木, 美成, 穐山, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 05.02.2024
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.65.20

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Summary:本研究では,残留農薬に対する正しい知識を消費者に普及啓発するため,リスクコミュニケーションの手法を基に公開セミナーを行った.さらに,セミナーの前後において,聴講者に対して消費者の意識に関するアンケート調査を行い,その有用性を評価した.回答は84名から得られ,対応のあるt検定を用いてセミナー前後の意識変化を分析したところ,「行政への信頼感」や「残留農薬に対する理解度」が有意に改善した.また,step-wise重回帰分析を用いてリスコミセミナーの満足度に影響する要因を探索したところ,「食品中の残留農薬の安全性に関する理解」の項目が抽出された.消費者にとって食の安全性への理解は日常生活を送る上での重要な関心事である.消費者が食品のリスクを正確に理解し,適切な判断ができるようになるためにも,今後もリスコミを続け,食の安心安全を伝えていく必要がある.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.65.20