磁性アタッチメントのキーパー形態がMR画像に与える影響

磁性アタッチメントは, 義歯の維持装置として, 現在多くの臨床現場で活用されている1-6). 優れた特性を有するアタッチメントとして, その評価は高いが, 現時点における唯一の臨床的問題点は, 磁性アタッチメントの実用化に先立って, 田中ら7)によってはじめて報告された, 磁気による診断装置であるMRI(Magnetic Resonance Imaging)撮像に影響をおよぼすことである4,7-12). MRIにおいては, 静磁場の中に磁性体が存在すると, 磁場の均一性が乱れ, その磁性体を中心として, アーチファクトが生じる13). キーパーの材質は強磁性体であり, アーチファクトの範囲が大...

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Published in歯科放射線 Vol. 37; no. 2; pp. 156 - 163
Main Authors 内藤, 宗孝, 正木, 文浩, 林, 正之, 有地, 榮一郎, 宮尾, 宣行, 田中, 貴信, 石上, 友彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 10.09.1997
日本歯科放射線学会
Subjects
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.37.156

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Summary:磁性アタッチメントは, 義歯の維持装置として, 現在多くの臨床現場で活用されている1-6). 優れた特性を有するアタッチメントとして, その評価は高いが, 現時点における唯一の臨床的問題点は, 磁性アタッチメントの実用化に先立って, 田中ら7)によってはじめて報告された, 磁気による診断装置であるMRI(Magnetic Resonance Imaging)撮像に影響をおよぼすことである4,7-12). MRIにおいては, 静磁場の中に磁性体が存在すると, 磁場の均一性が乱れ, その磁性体を中心として, アーチファクトが生じる13). キーパーの材質は強磁性体であり, アーチファクトの範囲が大きく, 周辺組織にまで影響を与える. 筆者らは, プロトタイプの磁性アタッチメント(マグフィット(R))のキーパーがMR画像におよぼす影響について, 基礎的, 臨床的に検討し, すでに報告している9). 即ち, 脳に最も近接する状態を設定した, 両側上顎第二大臼歯にキーパーを設置した場合においても, 脳幹部を含めて脳にはアーチファクトを認めない.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.37.156