下顎臼歯部歯槽骨内に歯の沈下を認めた3症例とその文献的考察

歯の萌出異常の一つに“埋伏(歯)”がある. これは, 一定の萌出時期が過ぎても歯冠が萌出しない, あるいは, 歯冠の一部のみが萌出し, 口腔粘膜下または顎骨内に残留している状態をいう1, 2. 一方, 萌出歯が咬合位に達したのち“低位”をきたした状態を称して“沈下”, さらに何らかの原因で極端に咬合位が低くなり, 口腔粘膜または顎骨に歯が完全に被覆された状態を称して“再埋伏”という1. これらの用語は, 欧米諸国においてinfraocclusion(infraversion), submersion, suppression, depression, secondary retentionおよ...

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Published in歯科放射線 Vol. 38; no. 2; pp. 112 - 120
Main Authors 和光, 衛, 原田, 卓哉, 北川, 博美, 齊藤, 力, 黒柳, 錦也, 廣瀬, 聡, 山田, 正幸, 山本, 貴和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 30.06.1998
日本歯科放射線学会
Subjects
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.38.112

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Summary:歯の萌出異常の一つに“埋伏(歯)”がある. これは, 一定の萌出時期が過ぎても歯冠が萌出しない, あるいは, 歯冠の一部のみが萌出し, 口腔粘膜下または顎骨内に残留している状態をいう1, 2. 一方, 萌出歯が咬合位に達したのち“低位”をきたした状態を称して“沈下”, さらに何らかの原因で極端に咬合位が低くなり, 口腔粘膜または顎骨に歯が完全に被覆された状態を称して“再埋伏”という1. これらの用語は, 欧米諸国においてinfraocclusion(infraversion), submersion, suppression, depression, secondary retentionおよびreimpactionとして使われているがその用い方に一貫性はなく, 萌出の既往があるという点で共通している. これらに関する症例報告は, 欧米諸国では永久歯2~14, 乳歯15~21ともに比較的多く, 本邦では極めて少ない.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.38.112