顎下腺部に発生したMyoepithelial carcinomaの一例
Myoepithelial carcinomaは, 1972年にDonathらにより命名された悪性度の低い腫瘍である1. 唾液腺に発生するMyoepithelial carcinomaは, まれな腫瘍であるが, そのほとんどが耳下腺に発生している. 今回われわれは, 顎下腺部に発生し2回再発を繰り返したMyoepithelial carcinomaを経験したのでその画像所見を主に報告する. 症例 患者:78歳, 男性. 初診:平成13年4月17日. 主訴:右側下顎角部腫脹. 現病歴:平成12年頃より, 下顎右側大臼歯部に疼痛を自覚していたが放置し, 平成13年2月15日他院にて下顎骨骨髄炎と診...
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Published in | 歯科放射線 Vol. 45; no. 2; pp. 59 - 63 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
30.06.2005
日本歯科放射線学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0389-9705 2185-6311 |
DOI | 10.11242/dentalradiology1960.45.59 |
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Summary: | Myoepithelial carcinomaは, 1972年にDonathらにより命名された悪性度の低い腫瘍である1. 唾液腺に発生するMyoepithelial carcinomaは, まれな腫瘍であるが, そのほとんどが耳下腺に発生している. 今回われわれは, 顎下腺部に発生し2回再発を繰り返したMyoepithelial carcinomaを経験したのでその画像所見を主に報告する. 症例 患者:78歳, 男性. 初診:平成13年4月17日. 主訴:右側下顎角部腫脹. 現病歴:平成12年頃より, 下顎右側大臼歯部に疼痛を自覚していたが放置し, 平成13年2月15日他院にて下顎骨骨髄炎と診断され, 投薬治療を受け腫脹および疼痛は軽減したが完治しなかった. 患者の希望により, 本院口腔外科を紹介され受診した. 既往歴:約60年前右側頬部腫瘍に対し放射線治療を受けた. その時の診断名および治療内容に関しては詳細不明であった. 10数年前に脳梗塞および高血圧を発症し, いずれに関しても投薬治療を受けていた. 初診時現症:右側下顎骨体部から角部にかけて膨隆を認め, 同部に圧痛および自発痛も伴っていた. 右側顎角部に腫脹が認められた. |
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ISSN: | 0389-9705 2185-6311 |
DOI: | 10.11242/dentalradiology1960.45.59 |