突発性難聴の予後予測に関する検討

当科において治療を行った突発性難聴症例310例を対象に予後の予測に関して検討を行った。治療は原則としてデキストラン製剤の点滴と副腎皮質ステロイド剤, 循環改善剤の内服を行った。また, 初期治療により改善がみられなかった症例や初診時聴力レベルが高度であった症例198例に対し高気圧酸素療法を併用した。全症例の予後は治癒107例, 著明回復97例, 回復72例, 不変34例であった。年齢, 治療開始までの期間, 初診時聴力レベル, めまいの有無は予後予測の因子と考えられた。治療開始後5周波数平均聴力レベルが10dB以上改善するまでの日数をみると7日以内に改善した例は, 8日以降の例に比べ有意に予後良...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 47; no. 2; pp. 87 - 91
Main Authors 阿部, 俊彦, 佐藤, 尚徳, 佐藤, 宏昭, 桑島, 秀, 村井, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.04.2004
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.47.87

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Summary:当科において治療を行った突発性難聴症例310例を対象に予後の予測に関して検討を行った。治療は原則としてデキストラン製剤の点滴と副腎皮質ステロイド剤, 循環改善剤の内服を行った。また, 初期治療により改善がみられなかった症例や初診時聴力レベルが高度であった症例198例に対し高気圧酸素療法を併用した。全症例の予後は治癒107例, 著明回復97例, 回復72例, 不変34例であった。年齢, 治療開始までの期間, 初診時聴力レベル, めまいの有無は予後予測の因子と考えられた。治療開始後5周波数平均聴力レベルが10dB以上改善するまでの日数をみると7日以内に改善した例は, 8日以降の例に比べ有意に予後良好であり, 治療開始後の聴力の回復過程により予後が左右されると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.47.87