要介護高齢者におけるFunctional Reach Testと身体機能との関連性 性差の影響の検討

〔目的〕要介護高齢者におけるFunctional Reach Test(FRT)と身体機能との関連性の性差を検討した.〔対象と方法〕要介護高齢者44名(男性16名,女性28名)とした.身体機能は握力,大腿四頭筋筋力,足趾把持力を計測した.立位バランスはFRTを計測した.〔結果〕要介護度を統制変数とした偏相関解析の結果,男性は,大腿四頭筋筋力と足趾把持力がFRTと有意な正の相関が認められた.女性は,年齢とFRTが有意な負の相関を示したが,大腿四頭筋筋力と足趾把持力は有意な相関を示さなかった.〔結語〕要介護高齢者におけるFRTと関連する身体機能要因は性別で異なり,男性では下肢筋力が重要な役割を果た...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法科学 Vol. 36; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 松野, 悟之, 川瀬, 博之, 岡田, 直子, 筧, 浩明, 中塚, 貴之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2021
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:〔目的〕要介護高齢者におけるFunctional Reach Test(FRT)と身体機能との関連性の性差を検討した.〔対象と方法〕要介護高齢者44名(男性16名,女性28名)とした.身体機能は握力,大腿四頭筋筋力,足趾把持力を計測した.立位バランスはFRTを計測した.〔結果〕要介護度を統制変数とした偏相関解析の結果,男性は,大腿四頭筋筋力と足趾把持力がFRTと有意な正の相関が認められた.女性は,年齢とFRTが有意な負の相関を示したが,大腿四頭筋筋力と足趾把持力は有意な相関を示さなかった.〔結語〕要介護高齢者におけるFRTと関連する身体機能要因は性別で異なり,男性では下肢筋力が重要な役割を果たしている可能性が示唆された.女性は,年齢が関連している可能性が示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.36.1