臨地実習施設におけるInterprofessional Workの現状と課題

専門職連携教育(以下IPEとする)の実践においては専門職協働(以下IPWとする)を見据えた多職種による共同的アプローチのためのIPW演習や実習が不可欠である。その学習プログラムの開発のためには協力実習施設のIPWの現状を把握し具体化しておくことが望ましい。本研究では,臨地実習の協力を得ている病院・施設におけるIPWの現状とその課題を明らかにする目的で3施設を選択し,所属する専門職400名を対象にIPWについてのアンケート調査を行った。その結果, IPEやIPWといった用語の認知度は低くほとんど使用されていなかった。また,取り扱うケースについてどの専門職が主導者になるかはそれぞれ施設によって違い...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携 Vol. 3; no. 1; pp. 2 - 9
Main Authors 遠藤, 和男, 松井, 由美子, 金谷, 光子, 真柄, 彰, 阿部, 明美, 高橋, 榮明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療福祉連携教育学会 2010
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1883-6380
2434-4842
DOI10.32217/jaipe.3.1_2

Cover

More Information
Summary:専門職連携教育(以下IPEとする)の実践においては専門職協働(以下IPWとする)を見据えた多職種による共同的アプローチのためのIPW演習や実習が不可欠である。その学習プログラムの開発のためには協力実習施設のIPWの現状を把握し具体化しておくことが望ましい。本研究では,臨地実習の協力を得ている病院・施設におけるIPWの現状とその課題を明らかにする目的で3施設を選択し,所属する専門職400名を対象にIPWについてのアンケート調査を行った。その結果, IPEやIPWといった用語の認知度は低くほとんど使用されていなかった。また,取り扱うケースについてどの専門職が主導者になるかはそれぞれ施設によって違いがみられた。専門職連携の実践においては「仕事効率の低下」や「対象のニーズに十分こたえていない」といったように,なかには連携によって困難さを感じる意見も聞かれた。最後に「自分の職種についての説明」や「他の職種についての説明」について十分できているとはいえないことも明らかになった。本稿ではIPEやIPWの認識の拡大や,専門職種間の相互理解をはかっていくことの必要性について強調したい。
ISSN:1883-6380
2434-4842
DOI:10.32217/jaipe.3.1_2