重度片麻痺を有する脳卒中患者の回復過程における歩行速度と下肢筋力の関係 シングルケースによる縦断的検討
【目的】重度片麻痺を有する脳卒中患者の回復過程において,歩行速度の増加が麻痺側と非麻痺側いずれの下肢筋力の増加と関連するか,シングルケースにて縦断的に検討した。【方法】脳卒中発症後に重度右片麻痺を呈した50歳代男性を対象とした。最大歩行速度と両側の等尺性膝伸展筋力を6週間にわたり週5回の頻度で計測した。歩行速度と下肢筋力との関係について,Pearson積率相関係数を用いて解析を行った。【結果】歩行速度および両側の下肢筋力は,評価期間を通して増加した。歩行速度と下肢筋力との相関係数は,非麻痺側が0.72,麻痺側が0.88であり,いずれも有意な正の相関を認めた(p<0.05)。【結論】重度片麻痺を...
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Published in | 理学療法の科学と研究 Vol. 6; no. 1; pp. 6_3 - 6_6 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 千葉県理学療法士会
31.03.2015
千葉県理学療法士会 |
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Summary: | 【目的】重度片麻痺を有する脳卒中患者の回復過程において,歩行速度の増加が麻痺側と非麻痺側いずれの下肢筋力の増加と関連するか,シングルケースにて縦断的に検討した。【方法】脳卒中発症後に重度右片麻痺を呈した50歳代男性を対象とした。最大歩行速度と両側の等尺性膝伸展筋力を6週間にわたり週5回の頻度で計測した。歩行速度と下肢筋力との関係について,Pearson積率相関係数を用いて解析を行った。【結果】歩行速度および両側の下肢筋力は,評価期間を通して増加した。歩行速度と下肢筋力との相関係数は,非麻痺側が0.72,麻痺側が0.88であり,いずれも有意な正の相関を認めた(p<0.05)。【結論】重度片麻痺を有する脳卒中患者において,歩行速度の増加には,麻痺側下肢だけでなく非麻痺側下肢の筋力増加も関連する可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 1884-9032 2758-3864 |
DOI: | 10.57476/srpt.6.1_6_3 |