ハンドマッサージが脳活動に与える影響 前頭前皮質酸素化ヘモグロビン濃度および主観的指標の観点から

「1 緒言」複雑な現代社会への不適応から, 現代人はさまざまなストレスを受けている. マッサージはストレスを緩和し, リラックスをもたらす効果があることから, その利用価値が高まっている. 医療や看護の分野においても, マッサージやタッチ等の触れるケアは, 患者の痛みや緊張を緩和し, 安楽性を高める癒しの技術として導入されている. マッサージは全身または身体各部などパターンは多いが, ハンドマッサージは衣服の着脱の必要がなく, 自由な姿勢で受けることができる簡便さがある. 国内外ではハンドマッサージの効果を検証した研究が多くみられる. 安楽性の増加, 疼痛緩和の効果, 主観的な不安感の改善,...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 9 - 16
Main Authors 中田, 弘子, 三輪, 早苗, 田淵, 知世, 小林, 宏光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 25.02.2018
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Summary:「1 緒言」複雑な現代社会への不適応から, 現代人はさまざまなストレスを受けている. マッサージはストレスを緩和し, リラックスをもたらす効果があることから, その利用価値が高まっている. 医療や看護の分野においても, マッサージやタッチ等の触れるケアは, 患者の痛みや緊張を緩和し, 安楽性を高める癒しの技術として導入されている. マッサージは全身または身体各部などパターンは多いが, ハンドマッサージは衣服の着脱の必要がなく, 自由な姿勢で受けることができる簡便さがある. 国内外ではハンドマッサージの効果を検証した研究が多くみられる. 安楽性の増加, 疼痛緩和の効果, 主観的な不安感の改善, マッサージの実施者との親近感の増加, リラックス感の増加と怒り-敵意, 疲労感の低下などが報告されている. これら主観的な評価に加えて, 一部では生理的指標を用いたハンドマッサージの効果の検証が行われている.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.23.1_9