ブドウ果実におけるプロアントシアニジンの生合成に及ぼす遮光の影響

プロアントシアニジンは,(+)-カテキンや (−)-エピカテキンのようなフラバン-3-オール単位のオリゴマーやポリマーで,赤ワイン醸造用ブドウの重要な成分である.フラバン-3-オール類は,アントシアニジンレダクターゼ (ANR) やロイコアントシアニジンレダクターゼ (LAR) により生合成される.本研究では,ブドウ‘カベルネ・ソービニヨン’の果実におけるプロアントシアニジンの生合成に及ぼす遮光の影響を調査した.果実の遮光により,生育期の果皮においてプロアントシアニジンの蓄積と ANR 及び LAR 遺伝子の転写が抑制された一方,種子においては顕著な影響がみられなかった.成熟期に対照区の果皮と...

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Published in園芸学会雑誌 Vol. 76; no. 2; pp. 112 - 119
Main Authors 藤田, 晃子, 相馬, 紀子, 後藤(山本), 奈美, 水野, 昭博, 木曽, 邦明, 橋爪, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2007
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Summary:プロアントシアニジンは,(+)-カテキンや (−)-エピカテキンのようなフラバン-3-オール単位のオリゴマーやポリマーで,赤ワイン醸造用ブドウの重要な成分である.フラバン-3-オール類は,アントシアニジンレダクターゼ (ANR) やロイコアントシアニジンレダクターゼ (LAR) により生合成される.本研究では,ブドウ‘カベルネ・ソービニヨン’の果実におけるプロアントシアニジンの生合成に及ぼす遮光の影響を調査した.果実の遮光により,生育期の果皮においてプロアントシアニジンの蓄積と ANR 及び LAR 遺伝子の転写が抑制された一方,種子においては顕著な影響がみられなかった.成熟期に対照区の果皮と種子でプロアントシアニジンが著しく減少したため,収穫期にはプロアントシアニジンが両区で同様のレベルになった.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.76.112