4 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有泡状スクラブ製剤における手術時手指消毒効果，皮膚への影響および使用感の評価

• Published in: 日本環境感染学会誌 Vol. 29; no. 3; pp. 189 - 195
• Main Authors: 細谷, 順, 白石, 正, 佐藤, 智也
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本環境感染学会 2014
• Subjects: 4 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有泡状スクラブ剤; グローブジュース法; 手術時手指消毒; 表皮角層水分量
• ISSN: 1882-532X; 1883-2407
• DOI: 10.4058/jsei.29.189

クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)を主成分とし，薬液を泡状で吐出するスクラブ剤の手術時手指消毒における持続効果，皮膚への影響，使用感について，CHG含有の液状スクラブ剤(2製品)と比較検討した．泡状スクラブ剤使用液量の相違による手指消毒持続効果も検討した．手指消毒持続効果は健康成人16名を対象とし，1回6 mLで2回の手術時手指消毒後，5時間後までグローブジュース法に準じた方法により生菌数を測定した．泡状スクラブ剤では，1回使用量を2 mLまたは4 mLとして同様に検討した．皮膚への影響は，健康成人14名を対象とし，両前腕内側部の洗浄操作を1日5回4日間実施し，両前腕内側部の角層水分量測定および皮膚画像のスコア化による客観的評価と使用感についてのアンケートを行った．1回6 mL使用時の手指消毒持続効果は，泡状および液状スクラブ剤ともに3時間後まで有意差は認められず，同等であることを確認した．また泡状スクラブ剤は1回4 mL以上の使用が望ましいことが示唆された．皮膚への影響については，泡状および液状スクラブ剤ともに試験開始4日目に同程度の皮膚の荒れが認められたが，製剤間に有意差は認められなかった．使用感は泡状スクラブ剤で評価が高かった．泡状スクラブ剤の手指消毒持続効果は液状スクラブ剤と同等であり，使用感に優れた製剤であることが確認できた．