II.見えてきた腸腎連関の存在

腸管と腎臓の連関「腸腎連関」が近年明らかになりつつある.腸管および腸内細菌叢は腎臓病の病態に相互に関与する.慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)では腸内細菌叢や腸管機能が変化しており,この変化は腸内細菌由来尿毒素,炎症反応,免疫制御などを介して腎臓病の病態に影響を及ぼす.そのため,プロバイオティクスやバイオティクス,緩下剤などにより,腸内細菌を含む腸内環境を是正することが腎臓病の新しい治療介入になる可能性が期待されている....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 106; no. 5; pp. 919 - 925
Main Authors 三島, 英換, 阿部, 高明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.05.2017
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Summary:腸管と腎臓の連関「腸腎連関」が近年明らかになりつつある.腸管および腸内細菌叢は腎臓病の病態に相互に関与する.慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)では腸内細菌叢や腸管機能が変化しており,この変化は腸内細菌由来尿毒素,炎症反応,免疫制御などを介して腎臓病の病態に影響を及ぼす.そのため,プロバイオティクスやバイオティクス,緩下剤などにより,腸内細菌を含む腸内環境を是正することが腎臓病の新しい治療介入になる可能性が期待されている.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.106.919