生活習慣病成因としての遺伝因子

近年の急速なヒトゲノム解析の進展と各国およびバイオ関連ベンチャー企業の意欲的な活動によって世界中のゲノム研究分野は技術的に飛躍的な進展を見せている.現在の標的は,複数の環境要因と複数の遺伝要因が複雑に関連しながら発症する生活習慣病の遺伝子群の単離同定である.肥満,糖尿病,高血圧,脂質代謝異常等が研究対象となってきている.将来,到来する自分自身の遺伝情報やオミックス情報を知り,それを管理する時代に備える必要がある.そして,制度の整った倫理指針の元でのオーダーメード医療の実現,健康寿命の延長,QOL(quality of life)の向上,医療費の大幅削減などに生かされることが期待されているが,そ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 102; no. 1; pp. 160 - 167
Main Author 三木, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.102.160

Cover

More Information
Summary:近年の急速なヒトゲノム解析の進展と各国およびバイオ関連ベンチャー企業の意欲的な活動によって世界中のゲノム研究分野は技術的に飛躍的な進展を見せている.現在の標的は,複数の環境要因と複数の遺伝要因が複雑に関連しながら発症する生活習慣病の遺伝子群の単離同定である.肥満,糖尿病,高血圧,脂質代謝異常等が研究対象となってきている.将来,到来する自分自身の遺伝情報やオミックス情報を知り,それを管理する時代に備える必要がある.そして,制度の整った倫理指針の元でのオーダーメード医療の実現,健康寿命の延長,QOL(quality of life)の向上,医療費の大幅削減などに生かされることが期待されているが,そのためにも多くの研究機関および医療機関の協力,提携がより一層の成果につながると考える.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.102.160