特発性血小板減少性紫斑病の病態と治療の進歩

特発性血小板減少性紫斑病はその病態から免疫性血小板減少性紫斑病と呼ばれるようになった.血小板に対する自己抗体の産生により,巨核球造血の低下・血小板造血の低下さらにはオプソニン化された血小板がマクロファージにFc受容体を介して貪食されることによって血小板減少がおきると考えられる.治療のガイドライン概要として,第1選択薬は副腎皮質ホルモン,第2選択として摘脾が行われる.これらの治療によっても血小板数が3万/μを超えない場合は,TPOミメティクスが考慮される.リツキシマブ投与も有効であるが,保険適応がない.TPOミメティクスはエルトロンボパグとロミプロスチムが保険で使用可能であるが,いずれも有効率が...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 101; no. 2; pp. 472 - 479
Main Authors 石田, 陽治, 古和田, 周吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2012
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.101.472

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Summary:特発性血小板減少性紫斑病はその病態から免疫性血小板減少性紫斑病と呼ばれるようになった.血小板に対する自己抗体の産生により,巨核球造血の低下・血小板造血の低下さらにはオプソニン化された血小板がマクロファージにFc受容体を介して貪食されることによって血小板減少がおきると考えられる.治療のガイドライン概要として,第1選択薬は副腎皮質ホルモン,第2選択として摘脾が行われる.これらの治療によっても血小板数が3万/μを超えない場合は,TPOミメティクスが考慮される.リツキシマブ投与も有効であるが,保険適応がない.TPOミメティクスはエルトロンボパグとロミプロスチムが保険で使用可能であるが,いずれも有効率が80%程度であり,難治性ITPに適している薬剤である.Syk阻害剤の有効性も報告されているが,現在のところ臨床では使用できない.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.101.472