福島県における補聴器装用児の就学後学習環境の実態調査 小学校教員へのアンケート

要旨: 福島県における小学校の通常学級に在籍している補聴器装用児の学習環境に関して, 担当教員等へのアンケート調査を行ったところ, 補聴器装用児の聞き取りや学力の問題, 周囲生徒との問題を抱えており, その対策として考えられる FM 補聴システムの活用や支援員の配置, 教育環境の整備, 教育支援計画と指導計画の作成などが十分に行われておらず, 周囲生徒に対する配慮も十分とはいえない状況が明らかとなった。 このことから, 専門機関が組織的かつ迅速に直接学校を指導する必要があると考えられた。 すでに, 中学校における人工内耳・補聴器装用児の学校支援は役割分担による支援体制を整え, 良好な結果を得る...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 59; no. 6; pp. 644 - 652
Main Authors 山田, 奈保子, 鈴木, 雪恵, 原田, 綾, 小川, 洋, 鈴木, 輝久, 鶴岡, 美果, 大森, 孝一, 馬場, 陽子, 松井, 隆道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.12.2016
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.59.644

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Summary:要旨: 福島県における小学校の通常学級に在籍している補聴器装用児の学習環境に関して, 担当教員等へのアンケート調査を行ったところ, 補聴器装用児の聞き取りや学力の問題, 周囲生徒との問題を抱えており, その対策として考えられる FM 補聴システムの活用や支援員の配置, 教育環境の整備, 教育支援計画と指導計画の作成などが十分に行われておらず, 周囲生徒に対する配慮も十分とはいえない状況が明らかとなった。 このことから, 専門機関が組織的かつ迅速に直接学校を指導する必要があると考えられた。 すでに, 中学校における人工内耳・補聴器装用児の学校支援は役割分担による支援体制を整え, 良好な結果を得ることができており, 小学校の補聴器装用児に対しても同様の支援を行うことになった。  小学校特有の課題としては, 学習の遅れが気になる教科として「国語」があがり, 個別の指導計画を作成することによって指導内容を明確にし, 個々に応じた学習支援を行っていく必要があることがわかった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.59.644