Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilisの遺伝子解析によるemm型別と経口抗菌薬感受性
2003年9月から2005年10月までの期間に, 11医療機関からLancefieldの抗血清による凝集反応で, A群, C群, あるいはG群のいずれかに凝集した総計593株のβ溶血性レンサ球菌の送付を受けた. それらのうち, 生化学的性状検査によって128株がStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis (S. equisimilis) と同定された. S. equisimilisと同定された菌株のLancefieldの抗血清による分類では, A群凝集株が5株C群凝集株が17株, そしてG群凝集株が106株であった.これらの菌株は, 若年層では呼...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 488 - 495 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
2006
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Summary: | 2003年9月から2005年10月までの期間に, 11医療機関からLancefieldの抗血清による凝集反応で, A群, C群, あるいはG群のいずれかに凝集した総計593株のβ溶血性レンサ球菌の送付を受けた. それらのうち, 生化学的性状検査によって128株がStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis (S. equisimilis) と同定された. S. equisimilisと同定された菌株のLancefieldの抗血清による分類では, A群凝集株が5株C群凝集株が17株, そしてG群凝集株が106株であった.これらの菌株は, 若年層では呼吸器感染症由来の検査材料からの分離が多かったが, 40歳代以上では血液や閉鎖性膿汁, 関節液からの分離が多く認められた. 病原性に関わるMタンパクをコードする遺伝子解析によるemm型別では, 27種の型が認められた. 本来無菌的である検査材料から検出された菌において, さまざまな例御型が認められた. また, すべての菌株が病原性に関わるslo, sagA, skcg遺伝子を保持していた. 本菌に対する経口抗菌薬のペニシリン系薬とセフェム系薬の抗菌力は, 0.016-0.031μg/mLと優れていた. しかし, マクロライド系薬やlevofloxacinには明らかな耐性を示す菌も認められた. これらの成績から, S. pyogenesやS. agalactiae以外には, 病原性が乏しいとされてきたβ溶血性レンサ球菌の再検討が必要なことが示唆された. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.488 |