泌尿器科領域におけるAM-715の基礎と臨床

新しいキノリン系抗菌剤であるAM-715について泌尿器科領域における基礎的および臨床的検討を行った。基礎的検討については空腹時, AM-715を100mgおよび200mg経口投与の場合, 血中濃度は投与後1時間でそれぞれ0.59μg/ml, 1.41μg/mlのピークを示し, 尿中濃度のピークは投与後1.5時間までにそれぞれ197.3μg/ml, 407.3μg/mlとなり, 投与後8時間までの尿中回収率はそれぞれ47.3%, 38.2%であった。 抗菌力についてはグラム陰性桿菌を中心とする尿路感染症分離菌株に対するAM-715のMICを測定し, nalidix icacid (以下NAと略す...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 29; no. Supplement4; pp. 546 - 565
Main Authors 富岡, 収, 山中, 望, 黒田, 泰二, 守殿, 貞夫, 石神, 襄次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1981
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Summary:新しいキノリン系抗菌剤であるAM-715について泌尿器科領域における基礎的および臨床的検討を行った。基礎的検討については空腹時, AM-715を100mgおよび200mg経口投与の場合, 血中濃度は投与後1時間でそれぞれ0.59μg/ml, 1.41μg/mlのピークを示し, 尿中濃度のピークは投与後1.5時間までにそれぞれ197.3μg/ml, 407.3μg/mlとなり, 投与後8時間までの尿中回収率はそれぞれ47.3%, 38.2%であった。 抗菌力についてはグラム陰性桿菌を中心とする尿路感染症分離菌株に対するAM-715のMICを測定し, nalidix icacid (以下NAと略す) およびpipemidica cid (以下PPAと略す) と比較すると, E.coli, Serratia, Pseudomonas, Enterobacter, Klebsiella, ProteusにおいてAM-715はPPA, NAより1~2管ないし数管低いMICを示した。 臨床的検討については, 急性単純性膀胱炎32例に使用し著効22例, 有効10例で有効率は100%を示し, 複雑性尿路感染症27例については著効10例, 有効4例で52%の有効率を示した。副作用については1例に軟便をみとめ, 1例にGOT, GPT, A1-Pの上昇をみとめた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.29.Supplement4_546