Cinoxacinに関する基礎的ならびに臨床的検討

新合成抗菌剤Cinoxacin (CINX) について基礎的ならびに臨床的検討を行ない, 以下の結論を得た。血中濃度, 尿中排泄を健康成人男子4名に本剤1回400mg経口投与にて食前, 食後2群のcross over testを施行測定した結果, 食事の影響による吸収の遅延は, 認められたものの, 両群共ほぼ, 4時間にわたる5.0μg/ml以上の高い血中濃度と, 7時間で約80%の高い尿中回収率を得た。臨床的検討は急性単純性膀胱炎23例と, 複雑性尿路感染症を含むその他6例の合計29例を対象として1日800mg, 7日間を限度とする, 連続経口投与を行なった結果, 主治医効果判定で著効52%...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 28; no. Supplement4; pp. 178 - 186
Main Authors 木村, 哲, 実川, 正道, 田崎, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1980
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Summary:新合成抗菌剤Cinoxacin (CINX) について基礎的ならびに臨床的検討を行ない, 以下の結論を得た。血中濃度, 尿中排泄を健康成人男子4名に本剤1回400mg経口投与にて食前, 食後2群のcross over testを施行測定した結果, 食事の影響による吸収の遅延は, 認められたものの, 両群共ほぼ, 4時間にわたる5.0μg/ml以上の高い血中濃度と, 7時間で約80%の高い尿中回収率を得た。臨床的検討は急性単純性膀胱炎23例と, 複雑性尿路感染症を含むその他6例の合計29例を対象として1日800mg, 7日間を限度とする, 連続経口投与を行なった結果, 主治医効果判定で著効52%, 有効38%, 無効10%, 急性単純性膀胱炎に対するUTI薬効評価基準による判定では, 著効56%, 有効22%, 無効22%であった。 副作用は血液, 腎, 肝, 消化器, 中枢神経系についてcheckしたが重篤なものはなく, 1例に投与2日目より軟便が見られたのみであった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.28.Supplement4_178