間接蛍光抗体 (IFA) 法によるBartonella henselae, Chlamydia pneumoniaeおよびCoxiella burnetiiの交差反応
猫ひっかき病 (CSD) 患者8例, C. pneumoniae呼吸器感染症患者13例および急性Q熱患者12例の各血清を対象に, 間接蛍光抗体 (IFA) 法によるBartonella henselae, Chlamydia pneumoniaeおよびCoxiella burnetiiの交差反応について検討した. C. pneumoniae感染症患者およびQ熱患者の血清についてB. henselae抗体価を測定したところ, C. pneumoniae感染症患者ではIgG・IgM抗体陽性例は認めなかったが, Q熱患者では3例 (3/10) がIgG抗体陽性 (3例: 64倍) であったこの3例は...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 75; no. 5; pp. 406 - 410 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
2001
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.406 |
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Summary: | 猫ひっかき病 (CSD) 患者8例, C. pneumoniae呼吸器感染症患者13例および急性Q熱患者12例の各血清を対象に, 間接蛍光抗体 (IFA) 法によるBartonella henselae, Chlamydia pneumoniaeおよびCoxiella burnetiiの交差反応について検討した. C. pneumoniae感染症患者およびQ熱患者の血清についてB. henselae抗体価を測定したところ, C. pneumoniae感染症患者ではIgG・IgM抗体陽性例は認めなかったが, Q熱患者では3例 (3/10) がIgG抗体陽性 (3例: 64倍) であったこの3例はC. burnetii抗体吸収操作によりC. burnetii抗体は陰性化したが, B. henselae抗体価は変化しなかった. 一方, CSD患者血清についてC. burnetiiおよびC. pneumoniaeの抗体価を測定したところ, C. burnetii IgG・IgM抗体価はいずれも陰性であった. しかしC. pneumoniaeIgG抗体価は3例 (3/8) の陽性例 (2例: 256倍, 1例132倍) を認め, B. henselae抗体吸収操作後はB. henselae, C. pneumoniaeの両抗体価は有意に減少した. 以上よりB. henselae抗体価測定において, C. pneumoniaeおよびC. burnetiiとの交差反応は認めず, C. burnetii抗体価測定でもB. henselaeとの交差反応は認めない.しかしC. pneumoniae抗体価測定では一部にB. henselaeとの交差反応が示唆された. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.406 |