3.鑑別診断

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN:intraductal papillary mucinous neoplasm)は膵管から発生する腫瘍で,肉眼的に認識可能な乳頭状腫瘍と粘液産生をその特徴とするものであり,主膵管型,分枝型,混合型に分類される.一方,粘液性嚢胞腫瘍(MCN:mucinous cystic neoplasm)は,通常,膵管との交通を有さない嚢胞形成性の上皮性腫瘍である.粘液を含有する異型円柱上皮に裏打ちされた腫瘍であり,上皮下に存在するovarian-type stroma(卵巣様間質)を特徴とする.分枝型IPMNとMCNは時に形態的に類似した所見を呈するため鑑別を要する.IPMN...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 101; no. 1; pp. 64 - 73
Main Authors 川島, 啓揮, 伊藤, 彰浩, 大宮, 直木, 大野, 栄三郎, 後藤, 秀実, 廣岡, 芳樹, 宮原, 良二, 中村, 正直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2012
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.101.64

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Summary:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN:intraductal papillary mucinous neoplasm)は膵管から発生する腫瘍で,肉眼的に認識可能な乳頭状腫瘍と粘液産生をその特徴とするものであり,主膵管型,分枝型,混合型に分類される.一方,粘液性嚢胞腫瘍(MCN:mucinous cystic neoplasm)は,通常,膵管との交通を有さない嚢胞形成性の上皮性腫瘍である.粘液を含有する異型円柱上皮に裏打ちされた腫瘍であり,上皮下に存在するovarian-type stroma(卵巣様間質)を特徴とする.分枝型IPMNとMCNは時に形態的に類似した所見を呈するため鑑別を要する.IPMNとMCNおよび嚢胞形成性膵腫瘍との鑑別診断について述べた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.101.64