アーバスキュラー菌根菌の接種効果を決定する環境要因

アーバスキュラー菌根 (AM) 菌は,陸上植物のうち約8割と共生関係を結んでおり,近年,持続可能な農業に向けた微生物資材として着目されている.しかし,未だに,AM菌資材による接種効果が発揮される環境条件は,圃場試験のメタ解析によっても不明確である.これまでに,著者らは,接種したAM菌 (接種菌) の宿主植物への早期菌根形成・定着が,接種効果が発揮されるための必要条件であるが十分条件ではないことを示した.本総説では,接種菌の早期菌根形成・定着と接種効果を分離して考え,過去の研究と近年報告されたメタ解析を再検証することで,それぞれに関わる環境要因を絞り込み,今後の研究指針を提案する....

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Published in根の研究 Vol. 28; no. 2; pp. 23 - 37
Main Authors 佐藤, 匠, 神山, 拓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 根研究学会 20.06.2019
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ISSN0919-2182
1880-7186
DOI10.3117/rootres.28.23

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Summary:アーバスキュラー菌根 (AM) 菌は,陸上植物のうち約8割と共生関係を結んでおり,近年,持続可能な農業に向けた微生物資材として着目されている.しかし,未だに,AM菌資材による接種効果が発揮される環境条件は,圃場試験のメタ解析によっても不明確である.これまでに,著者らは,接種したAM菌 (接種菌) の宿主植物への早期菌根形成・定着が,接種効果が発揮されるための必要条件であるが十分条件ではないことを示した.本総説では,接種菌の早期菌根形成・定着と接種効果を分離して考え,過去の研究と近年報告されたメタ解析を再検証することで,それぞれに関わる環境要因を絞り込み,今後の研究指針を提案する.
ISSN:0919-2182
1880-7186
DOI:10.3117/rootres.28.23