セイヨウナシおよびチュウゴクナシ果実の成熟にともなう β-Galactosidase and α-L-Arabinofuranosidase の活性および遺伝子発現の変化
細胞壁画分におけるガラクトースおよびアラビノース残基は果実成熟にともなって大きく減少する.これらの減少に関与する β-galactosidase (β-Gal) および α-L-arabinofuranosidase (α-Af) の役割について成熟中の軟化特性の異なるセイヨウナシ‘ラ・フランス’とチュウゴクナシ‘鴨梨’において比較・検討した.両品種において,β-Gal と α-Af の酵素活性は,成熟にともなうエチレン生成の開始とともに増大した.‘鴨梨’では,エチレン生成と酵素活性の顕著な増大が見られたにもかかわらず,果肉硬度は28日間の室温貯蔵後でも低下しなかった.両品種において PpGA...
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Published in | 園芸学会雑誌 Vol. 76; no. 1; pp. 85 - 90 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 園芸学会
2007
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Summary: | 細胞壁画分におけるガラクトースおよびアラビノース残基は果実成熟にともなって大きく減少する.これらの減少に関与する β-galactosidase (β-Gal) および α-L-arabinofuranosidase (α-Af) の役割について成熟中の軟化特性の異なるセイヨウナシ‘ラ・フランス’とチュウゴクナシ‘鴨梨’において比較・検討した.両品種において,β-Gal と α-Af の酵素活性は,成熟にともなうエチレン生成の開始とともに増大した.‘鴨梨’では,エチレン生成と酵素活性の顕著な増大が見られたにもかかわらず,果肉硬度は28日間の室温貯蔵後でも低下しなかった.両品種において PpGAL1, PpGAL4, PpARF2 および PcARF1 にハイブリダイズする転写物は果実成熟とともに増加した.果実軟化の見られない‘鴨梨’において,遺伝子発現および酵素活性が増加したことから,β-Gal と α-Af の酵素活性およびその遺伝子発現は,両ナシ品種における軟化特性の違いの決定因子ではないが,他の細胞壁分解酵素と共同して働くことによって果実軟化に何らかの役割を果たしていることが示唆された. |
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ISSN: | 0013-7626 1880-358X |
DOI: | 10.2503/jjshs.76.85 |