ストーカ式焼却炉ボイラ過熱器管の腐食抑制材としての天然ゼオライトに関する研究

廃棄物発電ボイラの過熱器管腐食対策として,ボイラ内に抑制材を供給し,過熱器管に付着させて腐食を抑制する技術がある。こうした添加剤を用いる技術は,薬剤費や灰処理量が増えるため,供給量を極力抑えることが重要となる。 本研究では,高い抑制能を有する抑制材を選定することを目的として,複数の候補材を実験室での試験により比較評価した。また,実機適用時を想定して,抑制材の混合割合の影響や腐食に関与するガス成分とどのような反応挙動を示すか調べた。 その結果,候補材の中で天然ゼオライトの抑制効果が高いことを明らかにした。抑制効果は,付着灰中における天然ゼオライトの混合割合 5~25 wt% の間で発現する。 ま...

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Published in廃棄物資源循環学会論文誌 Vol. 29; pp. 31 - 43
Main Authors 竹田, 航哉, 村田, 英彰, 下村, 育生, 高田, 康寛, 亀井, 裕次, 松藤, 敏彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2018
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Summary:廃棄物発電ボイラの過熱器管腐食対策として,ボイラ内に抑制材を供給し,過熱器管に付着させて腐食を抑制する技術がある。こうした添加剤を用いる技術は,薬剤費や灰処理量が増えるため,供給量を極力抑えることが重要となる。 本研究では,高い抑制能を有する抑制材を選定することを目的として,複数の候補材を実験室での試験により比較評価した。また,実機適用時を想定して,抑制材の混合割合の影響や腐食に関与するガス成分とどのような反応挙動を示すか調べた。 その結果,候補材の中で天然ゼオライトの抑制効果が高いことを明らかにした。抑制効果は,付着灰中における天然ゼオライトの混合割合 5~25 wt% の間で発現する。 また,ゼオライトはガス状の腐食性成分および酸性ガスを捕捉することがわかった。前者は実機適用時においてさらなる抑制効果を示す可能性を示唆し,後者は酸性ガス処理薬剤の代替として適用できる可能性を示している。
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.29.31