中咽頭を占拠する舌根部小唾液腺由来癌例の診断と治療経験

舌根部に発生した小唾液腺由来の高分化型粘表皮癌を経験した。唾液腺悪性腫瘍の発生頻度は全唾液腺腫瘍の1%未満とされており,小唾液腺由来の悪性腫瘍はさらに少なく,中でも舌根部に発生した粘表皮癌は非常にまれである。 症例は69歳女性,主訴は嚥下困難で,中咽頭を占拠する腫瘤性病変を舌根部に認めたため紹介受診となった。複数回の生検による術前診断が多形腺腫であったことから口内法により腫瘍を全摘出したが,確定診断は高分化型粘表皮癌であった。 経過は良好で,術後12か月を経過した現在,再発を認めていない。 舌根部に生じた唾液腺粘表皮癌に対する診断の困難さ,腫瘍の分類,手術アプローチ法について報告した。...

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Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 23; no. 3; pp. 337 - 341
Main Authors 渡部, 佳弘, 行木, 英生, 小澤, 宏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2013
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.23.337

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Summary:舌根部に発生した小唾液腺由来の高分化型粘表皮癌を経験した。唾液腺悪性腫瘍の発生頻度は全唾液腺腫瘍の1%未満とされており,小唾液腺由来の悪性腫瘍はさらに少なく,中でも舌根部に発生した粘表皮癌は非常にまれである。 症例は69歳女性,主訴は嚥下困難で,中咽頭を占拠する腫瘤性病変を舌根部に認めたため紹介受診となった。複数回の生検による術前診断が多形腺腫であったことから口内法により腫瘍を全摘出したが,確定診断は高分化型粘表皮癌であった。 経過は良好で,術後12か月を経過した現在,再発を認めていない。 舌根部に生じた唾液腺粘表皮癌に対する診断の困難さ,腫瘍の分類,手術アプローチ法について報告した。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.23.337