家禽疾病学:封入体肝炎を示したハトから分離したアデノウイルスの病原性と遺伝子解析

台湾で封入体肝炎を示したハトからアデノウイルス(ハトアデノウイルス,PA)を分離し,特定病原体不在(SPF)鶏およびレース鳩に対する病原性を検査した.1日齢のSPF鶏の皮下に104の50%培養細胞感染価(TCID50,低用量)および108 TCID50(高用量)接種した.高用量接種群では接種後3日から死亡が認められ,死亡率は100%に達したが,低用量接種群では接種後6日から死亡が認められ,14日間の死亡率は90%であった.成鳩はPAに抵抗性を示すと思われた.しかし,このウイルスはハトにおいてニューカッスル病ウイルスに対する抗体産生を抑制した.このPAはBamHIおよびHindIIIの制限酵素切...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 62; no. 9; pp. 989 - 993
Main Authors 王, 金和, 張, 中明
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 2000
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Summary:台湾で封入体肝炎を示したハトからアデノウイルス(ハトアデノウイルス,PA)を分離し,特定病原体不在(SPF)鶏およびレース鳩に対する病原性を検査した.1日齢のSPF鶏の皮下に104の50%培養細胞感染価(TCID50,低用量)および108 TCID50(高用量)接種した.高用量接種群では接種後3日から死亡が認められ,死亡率は100%に達したが,低用量接種群では接種後6日から死亡が認められ,14日間の死亡率は90%であった.成鳩はPAに抵抗性を示すと思われた.しかし,このウイルスはハトにおいてニューカッスル病ウイルスに対する抗体産生を抑制した.このPAはBamHIおよびHindIIIの制限酵素切断パターンから遺伝子型group Dに属することが明らかになった.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.62.989