1.鉄代謝の分子機構

鉄は生命にとって必須な微量元素であるが,過剰に存在すると肝障害や糖尿病,心不全などの原因になり感染症のリスクも増加する.細胞レベルでの鉄の取り込みにはトランスフェリン受容体が重要で,この発現は鉄制御蛋白(IRP)により転写後調節されている.個体レベルでの鉄代謝機構には十二指腸からの鉄の取り込み系と網内系を介した鉄のリサイクル系があるが,いずれも肝臓から分泌されるヘプシジンによってコントロールされている....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 99; no. 6; pp. 1173 - 1179
Main Author 川端, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2010
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:鉄は生命にとって必須な微量元素であるが,過剰に存在すると肝障害や糖尿病,心不全などの原因になり感染症のリスクも増加する.細胞レベルでの鉄の取り込みにはトランスフェリン受容体が重要で,この発現は鉄制御蛋白(IRP)により転写後調節されている.個体レベルでの鉄代謝機構には十二指腸からの鉄の取り込み系と網内系を介した鉄のリサイクル系があるが,いずれも肝臓から分泌されるヘプシジンによってコントロールされている.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.99.1173