4.鉄過剰と膵障害・糖尿病

ヘモクロマトーシスは鉄が体内の臓器に過剰に蓄積する遺伝性代謝性疾患であるが,サラセミアや,再生不良性貧血,鉄芽球性貧血などの難治性貧血に対する頻回輸血等の二次性要因によっても発症する.ヘモクロマトーシス患者の75~80%に耐糖能障害が起こり,このうち50~60%が顕性糖尿病である.本疾患が進行するとインスリン分泌障害が生ずるが,グルカゴン分泌は保たれており,膵β細胞への選択的鉄沈着がその原因と考えられている....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 99; no. 6; pp. 1255 - 1260
Main Authors 岸本, 美也子, 遠藤, 久子, 萩原, 將太郎, 野田, 光彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2010
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Summary:ヘモクロマトーシスは鉄が体内の臓器に過剰に蓄積する遺伝性代謝性疾患であるが,サラセミアや,再生不良性貧血,鉄芽球性貧血などの難治性貧血に対する頻回輸血等の二次性要因によっても発症する.ヘモクロマトーシス患者の75~80%に耐糖能障害が起こり,このうち50~60%が顕性糖尿病である.本疾患が進行するとインスリン分泌障害が生ずるが,グルカゴン分泌は保たれており,膵β細胞への選択的鉄沈着がその原因と考えられている.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.99.1255