乳腺専門クリニックにおける高知県乳癌検診の役割
高知県では昭和48年から視触診検診が行われてきたが,平成16年からマンモグラフィ(以下,MMG)検診が開始された。乳癌発見率は,0.08%から0.4%に上昇している。一方,要精密検査率も3.4%から7.3%に増加している。そのため,乳腺専門クリニックとして住民検診,精密検査,治療を行っている当院でも,受診患者に変化がみられている。平成16年から平成23年までの高知県のMMG検診は,MMG単独検診は,総受診者数は109,560人,要精検率6.2%,乳癌発見率は0.28%,陽性反応適中率4.6%,早期率は77.9%。MMG併用施設検診は,総受診者数は32,980人,要精検率9.3%,乳癌発見率は0...
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Published in | 日本乳癌検診学会誌 Vol. 22; no. 2; pp. 260 - 266 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0918-0729 1882-6873 |
DOI | 10.3804/jjabcs.22.260 |
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Summary: | 高知県では昭和48年から視触診検診が行われてきたが,平成16年からマンモグラフィ(以下,MMG)検診が開始された。乳癌発見率は,0.08%から0.4%に上昇している。一方,要精密検査率も3.4%から7.3%に増加している。そのため,乳腺専門クリニックとして住民検診,精密検査,治療を行っている当院でも,受診患者に変化がみられている。平成16年から平成23年までの高知県のMMG検診は,MMG単独検診は,総受診者数は109,560人,要精検率6.2%,乳癌発見率は0.28%,陽性反応適中率4.6%,早期率は77.9%。MMG併用施設検診は,総受診者数は32,980人,要精検率9.3%,乳癌発見率は0.4%,陽性反応適中率5.0%,早期率は61.9%であった。当院では,MMG併用施設検診を年間950件程担当している。当院の精密検査は,MMG,乳房超音波でカテゴリー3以上の症例に対して,穿刺吸引細胞診を施行し,平成22年度はその18.4%が乳癌であった。また,MMG石灰化病変に対してステレオガイド下マンモトーム®生検を施行し,その28.6%が乳癌であった。当院における平成13年から23年までの11年間の原発乳癌症例を,高知県でMMG検診が開始される以前の平成13年から15年,開始期の平成16年から18年,その後の平成19年から21年の3年間区切りと平成22, 23年の2年間を比較検討した。検診発見乳癌の割合は,それぞれ19.9%, 21.9%, 23.6%, 31.8%と増加した。今後も,乳腺専門クリニックとして,専門知識や技術をみがき,住民検診に適切にかかわり,精密検査の精度をあげ,乳癌患者の最適な治療を行うことで,地域住民の乳癌死の減少に努めていきたい。 |
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ISSN: | 0918-0729 1882-6873 |
DOI: | 10.3804/jjabcs.22.260 |