放射線治療後の頭頸部癌症例に対する遊離空腸パッチを用いた再建

今回,当科において2006年6月〜2018年12月の間,頭頸部領域に放射線治療を行われた既往のある頭頸部癌6症例に対して遊離空腸パッチを用いた再建を行った。男性5例,女性1例であり,平均年齢は56.3歳であった。対象疾患は下咽頭癌2例,中咽頭癌2例,喉頭癌2例であった。全例,腫瘍の再発,異時性重複癌症例であった。手術は腫瘍摘出後に遊離空腸の上腸間膜動静脈を栄養血管として採取し,腸管に縦切開を加えパッチとして欠損部分を被覆している。全例,術後遊離粘膜弁壊死を含めた術後合併症を認めず,咽頭瘻孔も認めなかった。放射線治療後の頭頸部再建において遊離空腸パッチは有用であると考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 30; no. 3; pp. 339 - 345
Main Authors 平野, 隆, 安倍, 伸幸, 森山, 宗仁, 柴田, 智隆, 武野, 慎祐, 猪股, 雅史, 鈴木, 正志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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Summary:今回,当科において2006年6月〜2018年12月の間,頭頸部領域に放射線治療を行われた既往のある頭頸部癌6症例に対して遊離空腸パッチを用いた再建を行った。男性5例,女性1例であり,平均年齢は56.3歳であった。対象疾患は下咽頭癌2例,中咽頭癌2例,喉頭癌2例であった。全例,腫瘍の再発,異時性重複癌症例であった。手術は腫瘍摘出後に遊離空腸の上腸間膜動静脈を栄養血管として採取し,腸管に縦切開を加えパッチとして欠損部分を被覆している。全例,術後遊離粘膜弁壊死を含めた術後合併症を認めず,咽頭瘻孔も認めなかった。放射線治療後の頭頸部再建において遊離空腸パッチは有用であると考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.30.339