C型肝硬変患者におけるインターフェロンの治療効果

C型肝硬変 (LC) 患者におけるインターフェロン (IFN) の治療効果と副作用の頻度について検討した.対象はLC患者35例と慢性活動性肝炎 (CAH) 患者29例であった.インターフェ'ロンはhuman lymphoblastoid interferon (HLBI) を使用し, LC患者には300もしくは600万単位/日2週間連日投与し, その後週3回22~23週投与した.CAH患者には600万単位/日を2週連日投与し, その後週3回14~16週投与した.LC患者ではIFN治療中止もしくはIFNの1日投与量を減量した例が7例に認められ, その原因としては血小板減少による例が最も...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 70; no. 6; pp. 597 - 604
Main Authors 井出, 達也, 佐田, 通夫, 鈴木, 宏, 村島, 史朗, 宮島, 一郎, 白地, 美紀, 谷川, 久一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.06.1996
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Summary:C型肝硬変 (LC) 患者におけるインターフェロン (IFN) の治療効果と副作用の頻度について検討した.対象はLC患者35例と慢性活動性肝炎 (CAH) 患者29例であった.インターフェ'ロンはhuman lymphoblastoid interferon (HLBI) を使用し, LC患者には300もしくは600万単位/日2週間連日投与し, その後週3回22~23週投与した.CAH患者には600万単位/日を2週連日投与し, その後週3回14~16週投与した.LC患者ではIFN治療中止もしくはIFNの1日投与量を減量した例が7例に認められ, その原因としては血小板減少による例が最も多かった.一方, CAH患者ではIFN投与量を減量した例が2例のみであった.LC患者では5例 (14.3%), CAH患者では9例 (31.0%) が著効例であった.著効例のLC患者全例で, 治療前の血中HCV-RNA量が105copy/m1以下であった.これらのことからLC患者においても, 治療前のHCV-RNA量と血小板数を測定し患者を選択することにより, より効率の良いIFN治療効果が得られると考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.597