小学校におけるYersinia pseudotuberculosis感染症の集団発生例

1986年3月, 千葉県酒々井町のO小学校とS小学校でYersinia pseudotuberculosis感染症が発生, 患者数は合わせて518名 (児童517名, 教員1名), 発症率22.4%, 入院者31名を数えた. 患者の主な症状は発熱 (100%), 発疹 (77.8%), 腹痛 (73.6%), 下痢 (66.7%), 嘔気 (62.5%), 頭痛 (55.6%), 嘔吐 (54.2%), 舌の発赤腫脹 (52.1%) 等であった.患者92名中37名 (40.2%) から当該菌を検出したが, 他の既知病原微生物は検出されなかった.分離株の血清型は4bで, 約40Mda1のプラスミ...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 61; no. 7; pp. 763 - 771
Main Authors 三瓶, 憲一, 内村, 真佐子, 小岩井, 健司, 高木, 謙二, 矢崎, 廣久, 七山, 悠三, 太田原, 美作雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 1987
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Summary:1986年3月, 千葉県酒々井町のO小学校とS小学校でYersinia pseudotuberculosis感染症が発生, 患者数は合わせて518名 (児童517名, 教員1名), 発症率22.4%, 入院者31名を数えた. 患者の主な症状は発熱 (100%), 発疹 (77.8%), 腹痛 (73.6%), 下痢 (66.7%), 嘔気 (62.5%), 頭痛 (55.6%), 嘔吐 (54.2%), 舌の発赤腫脹 (52.1%) 等であった.患者92名中37名 (40.2%) から当該菌を検出したが, 他の既知病原微生物は検出されなかった.分離株の血清型は4bで, 約40Mda1のプラスミドを保有し, カルシウム依存性および自然凝集性陽性であった.本事件は学校給食が原因と推定されたが, 汚染源は解明できなかった.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.61.763