遷延した経過を示したListeria monocytogenesによる髄膜炎の1例
症例は, 2歳の女児で, 発熱と嘔吐を主訴に入院し, 血液, 髄液よりListeria monocytogenesを検出した. Ampicillin (以下AB-PC) の経静脈投与により髄液所見の改善は認められたものの発熱, 不機嫌, 及び血清学的炎症反応は遷延した. 化学療法剤をAB-PCよりChloramphenicol (以下CP) に変更後, 急速な臨床所見の改善をみ, 患児は後遺症なく治癒した. 経過中のAB-PC髄液中濃度を経時的に測定したところ, 髄液所見の改善に伴いAB-PC髄液中濃度は, 大きく低下していた. AB-PCによる治療中, 臨床経過が遷延した原因の一つとして,...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 58; no. 6; pp. 562 - 565 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
1984
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Summary: | 症例は, 2歳の女児で, 発熱と嘔吐を主訴に入院し, 血液, 髄液よりListeria monocytogenesを検出した. Ampicillin (以下AB-PC) の経静脈投与により髄液所見の改善は認められたものの発熱, 不機嫌, 及び血清学的炎症反応は遷延した. 化学療法剤をAB-PCよりChloramphenicol (以下CP) に変更後, 急速な臨床所見の改善をみ, 患児は後遺症なく治癒した. 経過中のAB-PC髄液中濃度を経時的に測定したところ, 髄液所見の改善に伴いAB-PC髄液中濃度は, 大きく低下していた. AB-PCによる治療中, 臨床経過が遷延した原因の一つとして, 髄膜炎の改善に伴いAB-PCの髄液移行が減少した為, 充分な髄液濃度が得られなかった事が示唆された。 |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.58.562 |