呼吸器感染症を対象とするAspoxicillinとPiperacillinの二重盲検法による薬効比較試験
Aspoxicillin (ASPC, 治験番号TA-058) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性ならびに有用性をPiperacillin (PIPC) を対照薬とする二重盲検法により比較検討した.投与量は両薬剤とも4g/日 (2g×2回/日) とし, 原則として14日間点滴静注を行い, 以下の成績を得た. 1) 呼吸器感染症に対するASPCとPIPCとの臨床効果は, 全症例での有効率は小委員会判定ではASPC群76.2%(93/122), PIPC群78.3%(94/120), 主治医判定ではASPC群83.2%(99/119), PIPC群79.8%(99/124) であり両薬剤群間に推...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 59; no. 2; pp. 164 - 200 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
1985
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.164 |
Cover
Summary: | Aspoxicillin (ASPC, 治験番号TA-058) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性ならびに有用性をPiperacillin (PIPC) を対照薬とする二重盲検法により比較検討した.投与量は両薬剤とも4g/日 (2g×2回/日) とし, 原則として14日間点滴静注を行い, 以下の成績を得た. 1) 呼吸器感染症に対するASPCとPIPCとの臨床効果は, 全症例での有効率は小委員会判定ではASPC群76.2%(93/122), PIPC群78.3%(94/120), 主治医判定ではASPC群83.2%(99/119), PIPC群79.8%(99/124) であり両薬剤群間に推計学的な有意差は認められなかった. 2) 細菌学的効果ならびに症状, 所見, 臨床検査値等の改善度においても両薬剤群間に有意差は認められなかった. 3) 副作用の発現率はASPC群5.3%(7/131), PIPC群4.7%(6/129) また臨床検査値異常の発現率はASPC群25.2%(32/127), PIPC群22.4%(28/125) であり, いずれも両薬剤群間に有意差は認められなかった. 4) 有用性は, 小委員会判定での有用率はASPC群73.4%(91/124), PIPC群74.2%(92/124), 主治医判定ではASPC群78.9%(97/123), PIPC群74.2%(95/128) でいずれも両薬剤群間に有意差は認められなかった. 以上の結果より, ASPCは呼吸器感染症に対しPIPCとほぼ同等の臨床的有用性をもつものと考えられた. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.164 |