進行頭頸部癌手術不能例に対する化学療法併用照射法 後期第II相試験

進行頭頸部癌の局所切除不能例,巨大な頸部リンパ節転移病変を持つ症例の予後は極めて不良である.そこで進行頭頸部瘤局所手術不能例に対して予後の改善を目的として少量化学療法併用照射法の第2相試験を行った.方法はシスプラチン3mg/m2/day,5フルォロゥラシルは150mg/m2/dayを月曜から金曜日の週5回投与した.照射は原則として1.6-2Gyを月曜から金曜日の週5回で総量が約60Gyまで施行した.成績は1996年9月より1999年5月までに35例に施行している.評価可能例33例中,CR17例,PR 9例,MR 3例,NC 3例,PD 1例でRRは79%,GR率は52%であった.また全体の平均...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 103; no. 8; pp. 894 - 899
Main Authors 伊藤, 靖郎, 北原, 哲, 中之坊, 学, 村田, 保博, 甲能, 直幸, 田村, 悦代, 田部, 哲也, 古川, 太一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2000
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.103.894

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Summary:進行頭頸部癌の局所切除不能例,巨大な頸部リンパ節転移病変を持つ症例の予後は極めて不良である.そこで進行頭頸部瘤局所手術不能例に対して予後の改善を目的として少量化学療法併用照射法の第2相試験を行った.方法はシスプラチン3mg/m2/day,5フルォロゥラシルは150mg/m2/dayを月曜から金曜日の週5回投与した.照射は原則として1.6-2Gyを月曜から金曜日の週5回で総量が約60Gyまで施行した.成績は1996年9月より1999年5月までに35例に施行している.評価可能例33例中,CR17例,PR 9例,MR 3例,NC 3例,PD 1例でRRは79%,GR率は52%であった.また全体の平均生存期間は16ヵ月であった.有害事象は口内炎が最も多くgrade IIIが8例,grade IIまでのものが16例であった.骨髄抑制は白血球減少21例,血小板減少16例,貧血19例であった.以上より本法のDose limiting toxicityは口内炎であると思われた.少量CDDP単独との併用に比べると若干,副作用が強かったが当初予想したほどではなく,許容範囲内であった.臨床的にCRと思われても後に8例に局所再発を来し現時点では本疾患の根治的治療とはなり得ないが,手術不能例に対して検討されるべき治療法と思われた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.103.894