第17回 心臓性急死研究会 発熱時のブルガダサイン増悪に伴い失神発作を繰り返したブルガダ症候群の1例

症例は77歳,男性.平成15年5月3日午前9時ころ,悪寒の自覚後に失神を来し近医を受診.来院時,発熱を認め心電図にてV1~V3でST上昇を認めた.臨床症状,心電図変化からブルガダ症候群が疑われたが,精査は行われず経過観察されていた.同年9月ll日午前1時ころ,同様に悪寒を自覚した後に再び失神.翌日,当院外来を受診し精査目的で入院となった.来院時,38.7℃ の発熱を認め,心電図にて不完全右脚ブロック,V1~V3でST上昇を認めた.肺炎による発熱と診断され抗生剤投与により解熱,寛解した.経過中,熱型の変化に伴いブルガダサインの改善,増悪を繰り返した.発熱時にブルガダサイン増悪を来し失神発作を繰り...

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Published in心臓 Vol. 37; no. Supplement3; p. 141
Main Authors 田中, 靖章, 上野, 一弘, 小島, 淳, 坂本, 知浩, 吉村, 道博, 小川, 久雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2005
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Summary:症例は77歳,男性.平成15年5月3日午前9時ころ,悪寒の自覚後に失神を来し近医を受診.来院時,発熱を認め心電図にてV1~V3でST上昇を認めた.臨床症状,心電図変化からブルガダ症候群が疑われたが,精査は行われず経過観察されていた.同年9月ll日午前1時ころ,同様に悪寒を自覚した後に再び失神.翌日,当院外来を受診し精査目的で入院となった.来院時,38.7℃ の発熱を認め,心電図にて不完全右脚ブロック,V1~V3でST上昇を認めた.肺炎による発熱と診断され抗生剤投与により解熱,寛解した.経過中,熱型の変化に伴いブルガダサインの改善,増悪を繰り返した.発熱時にブルガダサイン増悪を来し失神発作を繰り返したブルガダ症候群の1例を経験したので,電気生理学的検査結果,文献的考察を交え報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.Supplement3_141