高エネルギー伝送を考慮した完全埋込型人工心臓用経皮トランスの検討

体内二次電池等への充電を考慮すると, 40W以上の高エネルギー伝送が要求される. ここでは, これらを考慮した体外結合型経皮トランスの検討を行った. フェライトコアの材質は25-36℃ で温度依存性が低く, 損失が小さいもの, 形状は装着性の高いドーナツ状とし, 断面積を変えた3つの経皮トランス (T1, T2, T3: 126, 189, 242mm2) を設計した. 40W伝送 (in vitro) を行った結果, T2, T3は従来のもの (109mm2) と比べて約15%のDC-DCエネルギー伝送効率の向上 (80%以上) と, 50%の温度上昇の抑制 (12-15℃) がみられた....

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Published in人工臓器 Vol. 28; no. 1; pp. 49 - 54
Main Authors 柴, 建次, 周, 英明, 越地, 耕二, 藤原, 修, 中村, 恭之, 増澤, 徹, 巽, 英介, 妙中, 義之, 高野, 久輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1999
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Summary:体内二次電池等への充電を考慮すると, 40W以上の高エネルギー伝送が要求される. ここでは, これらを考慮した体外結合型経皮トランスの検討を行った. フェライトコアの材質は25-36℃ で温度依存性が低く, 損失が小さいもの, 形状は装着性の高いドーナツ状とし, 断面積を変えた3つの経皮トランス (T1, T2, T3: 126, 189, 242mm2) を設計した. 40W伝送 (in vitro) を行った結果, T2, T3は従来のもの (109mm2) と比べて約15%のDC-DCエネルギー伝送効率の向上 (80%以上) と, 50%の温度上昇の抑制 (12-15℃) がみられた. さらに, in vivoにおける急性及び慢性動物実験 (2週間) を行ったところ, in vitroと同様な効率が得られた. このときのフェライトコアの温度は42℃ 未満で, 生体への異常は見られず, 安定した動作が確認された. 断面積189mm2以上のコアをもつ経皮トランスは, 効率及び温度の観点から40W以上の伝送が十分に可能であることが明らかとなった.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.28.49