1.心筋虚血の病態と冠血流の生理学的評価
虚血性心疾患は,冠動脈の狭窄ないしは閉塞により引き起こされる疾患であり,冠動脈造影が診断の中心的役割を担ってきた.しかし,冠動脈造影で描出される狭窄が必ずしも心筋虚血を引き起こすとは限らず,血行動態的な評価を追加してはじめて重症度を正しく判定できることも多い.また,通常の冠動脈造影では捉えきれない病態(冠攣縮,微小循環障害,INOCA(ischemia with non-obstructive coronary arteries)ならびにMINOCA(myocardial infarction with non-obstructive coronary arteries))が心筋虚血の原因であ...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 110; no. 2; pp. 196 - 203 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.02.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.110.196 |
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Summary: | 虚血性心疾患は,冠動脈の狭窄ないしは閉塞により引き起こされる疾患であり,冠動脈造影が診断の中心的役割を担ってきた.しかし,冠動脈造影で描出される狭窄が必ずしも心筋虚血を引き起こすとは限らず,血行動態的な評価を追加してはじめて重症度を正しく判定できることも多い.また,通常の冠動脈造影では捉えきれない病態(冠攣縮,微小循環障害,INOCA(ischemia with non-obstructive coronary arteries)ならびにMINOCA(myocardial infarction with non-obstructive coronary arteries))が心筋虚血の原因であることもあり,幅広い視点を持って診断手順を踏むことが必要である. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.110.196 |