アスファルトの光による劣化に及ぼす膜厚,波長ならびにカーボンブラック添加の影響

アスファルト舗装の供用中の劣化現象に影響の大きい光に注目し,この劣化におけるアスファルト単体の膜厚の影響を調査した。その結果,膜厚が薄くなるにつれて,特に200 μm以下の領域で,弾性率の増大や粘性の喪失,また酸化劣化を示すカルボニル基生成の増大など,劣化の程度が急激に著しくなることが確認された。 また,分光劣化試験による波長依存性を調査した結果,外観変化やカルボニル指数の挙動より,アスファルトの光による劣化には波長範囲300~400 nmの紫外線の影響が大きいことを明らかにした。 さらに,遮光性フィラーとして知られるカーボンブラックは,光による劣化の著しいアスファルト層の表面付近で機能し,波...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 48; no. 3; pp. 150 - 155
Main Authors 山口, 勝之, 佐々木, 厳, 西崎, 到, 明嵐, 政司, 森吉, 昭博
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2005
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Summary:アスファルト舗装の供用中の劣化現象に影響の大きい光に注目し,この劣化におけるアスファルト単体の膜厚の影響を調査した。その結果,膜厚が薄くなるにつれて,特に200 μm以下の領域で,弾性率の増大や粘性の喪失,また酸化劣化を示すカルボニル基生成の増大など,劣化の程度が急激に著しくなることが確認された。 また,分光劣化試験による波長依存性を調査した結果,外観変化やカルボニル指数の挙動より,アスファルトの光による劣化には波長範囲300~400 nmの紫外線の影響が大きいことを明らかにした。 さらに,遮光性フィラーとして知られるカーボンブラックは,光による劣化の著しいアスファルト層の表面付近で機能し,波長300~400 nmの紫外線による劣化を抑える効果のあることが見出された。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.48.150