LED交互照射条件がトマト苗の品質と定植後の根系発達に及ぼす影響

省エネルギーかつ良質苗の生産を目的として,LEDの照射条件を評価した.LEDを交互照射することにより苗乾物1 gを生産するための電力量は慣行の蛍光灯育苗に対して4割以上の削減が可能であった.また,連続照射で発生する葉枯れ(ネクロシス)を回避するには,2時間以上の暗期が必要であった.交互照射により4~6時間暗期を設けた苗では,定植後の根量増加量が対照区に比べ多く,初期の地上部の増加量も多かった.苗のδ13C値の結果からLED-AI条件では暗期の増加に従い(明期の光照射強度が高くなるほど),新鮮重は増加するが,同時に気孔の閉鎖が発生していることが示唆された.本試験の条件では暗期が長いほど,地上部の...

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Published in根の研究 Vol. 26; no. 1; pp. 3 - 9
Main Authors 中野, 明正, 大竹, 範子, 米田, 正, 篠田, 晶子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 根研究学会 2017
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Summary:省エネルギーかつ良質苗の生産を目的として,LEDの照射条件を評価した.LEDを交互照射することにより苗乾物1 gを生産するための電力量は慣行の蛍光灯育苗に対して4割以上の削減が可能であった.また,連続照射で発生する葉枯れ(ネクロシス)を回避するには,2時間以上の暗期が必要であった.交互照射により4~6時間暗期を設けた苗では,定植後の根量増加量が対照区に比べ多く,初期の地上部の増加量も多かった.苗のδ13C値の結果からLED-AI条件では暗期の増加に従い(明期の光照射強度が高くなるほど),新鮮重は増加するが,同時に気孔の閉鎖が発生していることが示唆された.本試験の条件では暗期が長いほど,地上部の生育が旺盛になり,適度に水ストレスが負荷され,水利用効率が上昇する状況にあったと考えられた.
ISSN:0919-2182
1880-7186
DOI:10.3117/rootres.26.3