若手外科医育成のために“進化する外科”

福岡大学消化器外科教室では外科医減少の中で若手外科医育成に取り組んできた.その基本理念は,時代の展開をリードする外科教室を目指し「若手外科医育成のために“進化する外科”」であった.第77回総会では,同じ理念を総会テーマと総会会長講演で用いた.講演内容は,1.外科医減少,2.その対策,3.手術術式の展開とスピード感,4.コモディティー化,5.教室の臨床研究であった.すなわち,外科医数は20~30歳台までは減少し,人口は2045年までは高齢者年齢層が目立つため外科医不足深刻化に警鐘を鳴らした.内視鏡外科の展開は目覚しく,術者の若返りで大変化の様相を示す.この中で,外科医のコモディティー化の対処策や...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 7; pp. 1599 - 1608
Main Author 山下, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.1599

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Summary:福岡大学消化器外科教室では外科医減少の中で若手外科医育成に取り組んできた.その基本理念は,時代の展開をリードする外科教室を目指し「若手外科医育成のために“進化する外科”」であった.第77回総会では,同じ理念を総会テーマと総会会長講演で用いた.講演内容は,1.外科医減少,2.その対策,3.手術術式の展開とスピード感,4.コモディティー化,5.教室の臨床研究であった.すなわち,外科医数は20~30歳台までは減少し,人口は2045年までは高齢者年齢層が目立つため外科医不足深刻化に警鐘を鳴らした.内視鏡外科の展開は目覚しく,術者の若返りで大変化の様相を示す.この中で,外科医のコモディティー化の対処策や周術期管理労力軽減に役立つ臨床研究を示した.今後も,外科医減少の状況において若手外科医育成に役立つあらゆる方策を練り,若手医師に魅力ある外科医の環境整備は将来に向け重要な課題であることを述べた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.1599