4.腎生検の実際
腎疾患,特に,慢性糸球体腎炎では,初期の自・他覚症状が乏しく,検診などで蛋白尿を指摘されてはじめてきづかれることも多い.腎疾患を組織学的に確定診断し,治療方針を決定し腎予後を推定するためには腎生検が最も重要な診断手技となる.一方,腎生検は,血流豊富な臓器である腎を穿刺する観血的検査なので出血は不可避で,常に出血合併症が最も問題となる.したがって,腎生検では,その適応と禁忌を充分に吟味し,合併症のリスクを最小限に留めなければならない.本稿では,腎生検の適応と禁忌,実施の手技,合併症について概説する....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 97; no. 5; pp. 934 - 941 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
2008
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.97.934 |
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Summary: | 腎疾患,特に,慢性糸球体腎炎では,初期の自・他覚症状が乏しく,検診などで蛋白尿を指摘されてはじめてきづかれることも多い.腎疾患を組織学的に確定診断し,治療方針を決定し腎予後を推定するためには腎生検が最も重要な診断手技となる.一方,腎生検は,血流豊富な臓器である腎を穿刺する観血的検査なので出血は不可避で,常に出血合併症が最も問題となる.したがって,腎生検では,その適応と禁忌を充分に吟味し,合併症のリスクを最小限に留めなければならない.本稿では,腎生検の適応と禁忌,実施の手技,合併症について概説する. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.97.934 |