ごぼう (Arctium lappa L.) 由来フルクタン:フルクタン1-フルクトシルトランスフェラーゼの精製,クローニングと機能解析

ごぼうから初めてフルクタン:フルクタン1-フルクトシルトランスフェラーゼ(1-FFT)を精製し,それをコードするcDNAをクローニングした.1-FFTaおよび1-FFTbと名付けた2種の1-FFTが硫安分画,DEAE-Sepharose CL-6B, Toyopearl HW-55SおよびSephadex G-100の各種クロマトグラフィーを行うことによりごぼう抽出液から精製された.ニストースや高い重合度をもつフルクトオリゴ糖などのイヌリン型フルクタンが1-ケストースから精製1-FFTにより生成された.両精製酵素の一般性質はよく似ていた.1-FFTaおよび1-FFTb両精製酵素はネイティブPA...

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Published inJournal of Applied Glycoscience Vol. 56; no. 4; pp. 239 - 246
Main Authors 上野, 敬司, 大森, 俊馬, 小野寺, 秀一, 阿部, 雅美, 石黒, 陽二郎, 塩見, 徳夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用糖質科学会 2009
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ISSN1344-7882
1880-7291
DOI10.5458/jag.56.239

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Summary:ごぼうから初めてフルクタン:フルクタン1-フルクトシルトランスフェラーゼ(1-FFT)を精製し,それをコードするcDNAをクローニングした.1-FFTaおよび1-FFTbと名付けた2種の1-FFTが硫安分画,DEAE-Sepharose CL-6B, Toyopearl HW-55SおよびSephadex G-100の各種クロマトグラフィーを行うことによりごぼう抽出液から精製された.ニストースや高い重合度をもつフルクトオリゴ糖などのイヌリン型フルクタンが1-ケストースから精製1-FFTにより生成された.両精製酵素の一般性質はよく似ていた.1-FFTaおよび1-FFTb両精製酵素はネイティブPAGEにより単一バンドを示したが,SDS-PAGEでは1-FFTaでは分子量が約46,000と17,500の位置に,1-FFTbでは約46,000と17,000の位置に,それぞれ2本のバンドを示した.両酵素の46,000のペプチドのN末端配列は同じ配列であり,両酵素の17,500と17,000のペプチドのN末端配列もまた同じ配列であった.これらの配列に基づいてalft1と名付けた1-FFT cDNAをクローニングした.alft1は617アミノ酸からなるポリペプチドをコードしていた.推定されるアミノ酸配列の成熟タンパク質領域の分子量と等電点は60,213および4.89と計算された.Pichia pastorisで生産された組み換えタンパク質の性質はごぼうから精製した1-FFTとよく似ていた.本研究において,われわれはごぼう由来1-FFTとそれをコードするalft1がごぼうのフルクトオリゴ糖のフルクトシル鎖の伸長に関与することを示した.
ISSN:1344-7882
1880-7291
DOI:10.5458/jag.56.239