日本における筋弛緩拮抗と残存の状況

筋弛緩モニターでロクロニウムを使用した全身麻酔手術後にネオスチグミンまたはスガマデクスを投与して筋弛緩を拮抗し,四連反応比<0.9となる残存筋弛緩の発生率を調査した.筋弛緩拮抗後,筋弛緩からの回復を主観的に確認した後に抜管した直後の残存筋弛緩はネオスチグミン群では23.9%の患者に見られたが,スガマデクスを用いた場合は4.3%と有意に少なかった.ネオスチグミン群での残存筋弛緩の要因として,高齢者,ロクロニウムの追加投与量が多い例,ネオスチグミンの投与量が少ない例やロクロニウムの最終投与からネオスチグミンの投与までの時間が短い例を認めたが,スガマデクスでの残存筋弛緩の要因としてはっきりしたものは...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 33; no. 2; pp. 205 - 211
Main Author 中塚, 逸央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2013
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.33.205

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Summary:筋弛緩モニターでロクロニウムを使用した全身麻酔手術後にネオスチグミンまたはスガマデクスを投与して筋弛緩を拮抗し,四連反応比<0.9となる残存筋弛緩の発生率を調査した.筋弛緩拮抗後,筋弛緩からの回復を主観的に確認した後に抜管した直後の残存筋弛緩はネオスチグミン群では23.9%の患者に見られたが,スガマデクスを用いた場合は4.3%と有意に少なかった.ネオスチグミン群での残存筋弛緩の要因として,高齢者,ロクロニウムの追加投与量が多い例,ネオスチグミンの投与量が少ない例やロクロニウムの最終投与からネオスチグミンの投与までの時間が短い例を認めたが,スガマデクスでの残存筋弛緩の要因としてはっきりしたものはなかった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.33.205