車載カメラによる実時間画像処理とそのAR技術に基づく表示方式によるカーナビへの応用

本論文では, 拡張現実感 (AR) 技術を用いた表示方式 (以下, 本表示方式) のカーナビゲーションシステム (以下, 本システム) を提案する. 本システムでは, (I) 走行中の車載カメラから実写動画像の取得, (II) コンピュータビジョン技術による道路幾何情報の抽出, (III) CG技術による3D-CGシーンのリアルタイム生成, (IV) 元の動画像とオーバレイ表示, という戦略をとる. 本システムの利点は, 道路幾何情報のリアルタイム収集・解析による詳細な3D-CGモデリングデータ作成コストの削減, AR技術によるカーナビゲーション表示における瞬時の視認性の向上, である. 本表...

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Published in芸術科学会論文誌 Vol. 5; no. 2; pp. 57 - 68
Main Authors 澤野, 弘明, 岡田, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 芸術科学会 2006
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Summary:本論文では, 拡張現実感 (AR) 技術を用いた表示方式 (以下, 本表示方式) のカーナビゲーションシステム (以下, 本システム) を提案する. 本システムでは, (I) 走行中の車載カメラから実写動画像の取得, (II) コンピュータビジョン技術による道路幾何情報の抽出, (III) CG技術による3D-CGシーンのリアルタイム生成, (IV) 元の動画像とオーバレイ表示, という戦略をとる. 本システムの利点は, 道路幾何情報のリアルタイム収集・解析による詳細な3D-CGモデリングデータ作成コストの削減, AR技術によるカーナビゲーション表示における瞬時の視認性の向上, である. 本表示方式の有効性についてシミュレーションを用いて被験者100人に対してアンケートした結果, 85%以上の被験者から従来の3D-CGによる表示方式に比べ, 本表示方式の方が瞬時の視認性が高いという回答が得られた. また, 実写動画像を入力情報として, 簡易なAR表示のみを行う試作システムによる実験を行った. さらに, 本表示方式を実装するためにシステム実装時に考慮すべき点とアルゴリズム上の問題点をまとめ, 今後の課題を示す.
ISSN:1347-2267
DOI:10.3756/artsci.5.57