破裂脳動脈瘤症例の治療成績 Urokinase および Nicardipine 脳槽内投与の効果について
「はじめに」破裂脳動脈瘤患者の予後を左右する大きな要因の一つである脳血管攣縮は, その発生機序について, 多くの研究がなされているにかかわらず明らかではなく, 臨床的にもその治療法は確立されていない. しかしながら, 脳血管攣縮の原因としてクモ膜下血腫の関与が確認されており, 事実, 早期手術による血腫除去が脳血管攣縮の予防に有用である. ただし機械的なクモ膜下血腫除去には限界があり, 脳槽ドレナージを併用し, 早期に血腫を排除する工夫も行われた. 近年, 脳血管攣縮の予防のため, より早期のクモ膜下血腫排除を目的として血栓溶解剤を髄腔内投与した報告がみられる. また, 脳血管拡張作用を有する...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 24; no. 3; pp. 186 - 192 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
30.05.1996
日本脳卒中の外科研究会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs1987.24.3_186 |
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Summary: | 「はじめに」破裂脳動脈瘤患者の予後を左右する大きな要因の一つである脳血管攣縮は, その発生機序について, 多くの研究がなされているにかかわらず明らかではなく, 臨床的にもその治療法は確立されていない. しかしながら, 脳血管攣縮の原因としてクモ膜下血腫の関与が確認されており, 事実, 早期手術による血腫除去が脳血管攣縮の予防に有用である. ただし機械的なクモ膜下血腫除去には限界があり, 脳槽ドレナージを併用し, 早期に血腫を排除する工夫も行われた. 近年, 脳血管攣縮の予防のため, より早期のクモ膜下血腫排除を目的として血栓溶解剤を髄腔内投与した報告がみられる. また, 脳血管拡張作用を有するカルシウム (Ca) 拮抗剤の投与も検討されている. 筆者らも, 破裂脳動脈瘤症例に対して, 血栓溶解剤とCa拮抗剤の両者を脳槽内に投与し, その有効性について報告した. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs1987.24.3_186 |