ヘッドセット型脳波計で記録された脳波特徴の自動解析システム

集中治療室(Intensive Care Unit,ICU)などの救急医療の現場において,脳波検査が実施されることは,非痙攣性てんかん重積や治療の予後診断において有用である.しかしながら,脳波判読医の不足や電極を装着するには専門的な技術が必要であるなどの理由から脳波検査が日常的に行われていない.著者らは,ヘッドセット型脳波計で記録されたデータから脳波特徴を自動解析するシステムを開発している。本システムは,脳波データに加えて加速度情報を同時記録可能である.これらの情報を基に、脳波解析で問題となる電極接着や体動,眼球運動等に起因したアーチファクトを自動検出する.その後,ICUの脳波記録で重要な判読...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Proc; pp. 373 - 375
Main Authors 久保田, 有一, 松田, 吉隆, 兵藤, 道大, 木下, 雅貴, 森田, 滉生, 杉, 剛直, 後藤, 聡, 野平, 晴彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.373

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Summary:集中治療室(Intensive Care Unit,ICU)などの救急医療の現場において,脳波検査が実施されることは,非痙攣性てんかん重積や治療の予後診断において有用である.しかしながら,脳波判読医の不足や電極を装着するには専門的な技術が必要であるなどの理由から脳波検査が日常的に行われていない.著者らは,ヘッドセット型脳波計で記録されたデータから脳波特徴を自動解析するシステムを開発している。本システムは,脳波データに加えて加速度情報を同時記録可能である.これらの情報を基に、脳波解析で問題となる電極接着や体動,眼球運動等に起因したアーチファクトを自動検出する.その後,ICUの脳波記録で重要な判読項目であるContinuity(脳波の連続性),ならびに背景脳波活動(優位律動と徐波)などの特徴を評価する.本システムは,ICU20例と健常ボランティア20例の記録データにて検証を行った.ICUの脳波と健常ボランティアの脳波では,アーチファクトの混入頻度も含めて脳波特徴は大きく異なっているが,いずれの記録データに対しても,概ね脳波特徴を把握できていると判断された.今後は,ICUの脳波において重要となるスパイク波や周期性放電の自動検出法開発などの汎用性の拡大と,解析された特徴と視察による特徴を詳細に比較した精度検証を進めていく.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.373