周術期の止血凝固管理におけるPoint of Careモニター

周術期の血液凝固障害は時間とともにダイナミックに変化するため,患者の状態を可及的速やかに把握し,治療を行うことが求められる.最近では手術患者や外傷患者の血液凝固検査にPoint of Careモニターと呼ばれる機器を使用するメリットが報告されている.その中でもROTEM®は手術室内でも簡便に行える検査として注目を集めている.ROTEMでは種類の異なる凝固刺激試薬を全血検体に加えることによって,凝固異常の鑑別診断が可能であり,心臓外科手術にROTEMを指標とした輸血治療アルゴリズムを導入することによって不必要な輸血を回避できることも報告されている.周術期の凝固異常の診断・治療にはPoint of...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 33; no. 2; pp. 263 - 271
Main Author 香取, 信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2013
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.33.263

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Summary:周術期の血液凝固障害は時間とともにダイナミックに変化するため,患者の状態を可及的速やかに把握し,治療を行うことが求められる.最近では手術患者や外傷患者の血液凝固検査にPoint of Careモニターと呼ばれる機器を使用するメリットが報告されている.その中でもROTEM®は手術室内でも簡便に行える検査として注目を集めている.ROTEMでは種類の異なる凝固刺激試薬を全血検体に加えることによって,凝固異常の鑑別診断が可能であり,心臓外科手術にROTEMを指標とした輸血治療アルゴリズムを導入することによって不必要な輸血を回避できることも報告されている.周術期の凝固異常の診断・治療にはPoint of Care凝固モニターの活用が望ましい.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.33.263