相対評価法を用いた痛みを表すオノマトペの順序関係を調べる手法の提案
本論文では,クイックソートの概念を利用して効率的に順序関係を調べる新しい相対評価法を提案する.人の主観的な疼痛を客観的な数値として表すことができれば,人の感じている痛みについて他者と共有することができ,医師(医療従事者)と患者との問診を支援することが可能になる.主観的な疼痛を客観的な数値で評価するためには,多くの年代や地域の方,さらには非健常者や妊婦,高齢者の方まで幅広くアンケート評価を行う必要がある.しかし,現状の評価法では,1人当たりにかかる検査時間(1~3時間)が長すぎるため,多くのデータを得ることが難しい.さらに,非健常者や妊婦,高齢者の方に対しては,身体的・精神的な理由から負担の大き...
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Published in | 知能と情報 Vol. 28; no. 4; pp. 734 - 743 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本知能情報ファジィ学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1347-7986 1881-7203 |
DOI | 10.3156/jsoft.28.734 |
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Summary: | 本論文では,クイックソートの概念を利用して効率的に順序関係を調べる新しい相対評価法を提案する.人の主観的な疼痛を客観的な数値として表すことができれば,人の感じている痛みについて他者と共有することができ,医師(医療従事者)と患者との問診を支援することが可能になる.主観的な疼痛を客観的な数値で評価するためには,多くの年代や地域の方,さらには非健常者や妊婦,高齢者の方まで幅広くアンケート評価を行う必要がある.しかし,現状の評価法では,1人当たりにかかる検査時間(1~3時間)が長すぎるため,多くのデータを得ることが難しい.さらに,非健常者や妊婦,高齢者の方に対しては,身体的・精神的な理由から負担の大きい調査の実施が困難である. 本論文で提案する整列比較法は,一対比較法の判断の容易さを残したまま,問題点である比較回数と検査時間を大幅に改善できる.また,比較を行う実験刺激の個数に関係なく各実験刺激を定量化する数値化手法についても記述する.これにより,比較を行う実験刺激の個数を調整することが可能となり,より被験者の負担を減らすことができる. |
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ISSN: | 1347-7986 1881-7203 |
DOI: | 10.3156/jsoft.28.734 |