後縦隔Müller管嚢胞の1例

症例は44歳,女性.検診の胸部単純X線検査で異常を指摘された.CT検査で後縦隔腫瘍を指摘され,当科へ紹介された.MRIとPET-CTから嚢胞性病変を疑い,胸腔鏡下に後縦隔腫瘍を摘出した.腫瘍は薄い被膜に覆われた単房性嚢胞で,周囲組織との連続性はなかった.嚢胞壁は単層または数層となった丈の低い線毛円柱上皮細胞からなり,エストロゲンレセプター陽性かつプロゲステロンレセプター陽性であったため,Müller管嚢胞と診断した.術後にHorner症候群を認めたが,術後6カ月に改善を認めた.閉経前後の女性における後縦隔嚢胞を認めた場合,Müller管嚢胞の可能性を念頭に置く必要がある....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 8; pp. 1917 - 1922
Main Authors 岩本, 圭亮, 村上, 順一, 濱野, 公一, 上田, 和弘, 林, 雅太郎, 佐野, 史歩, 小賀, 厚徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.1917

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Summary:症例は44歳,女性.検診の胸部単純X線検査で異常を指摘された.CT検査で後縦隔腫瘍を指摘され,当科へ紹介された.MRIとPET-CTから嚢胞性病変を疑い,胸腔鏡下に後縦隔腫瘍を摘出した.腫瘍は薄い被膜に覆われた単房性嚢胞で,周囲組織との連続性はなかった.嚢胞壁は単層または数層となった丈の低い線毛円柱上皮細胞からなり,エストロゲンレセプター陽性かつプロゲステロンレセプター陽性であったため,Müller管嚢胞と診断した.術後にHorner症候群を認めたが,術後6カ月に改善を認めた.閉経前後の女性における後縦隔嚢胞を認めた場合,Müller管嚢胞の可能性を念頭に置く必要がある.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.1917